マレーシアのブルーモスクは、巨大な青いドームや純白の美しい回廊が見どころの観光スポットです。行き方としては、Grabやオプショナルツアーが便利です。入場は無料であり、ガイドの案内を受けながら見学します。ブルーモスクの行き方や営業時間、服装、見どころなどについて、実際に観光した際の体験をもとに紹介します。
マレーシアのブルーモスクとは
マレーシアのブルーモスクは、クアラルンプールの南西に位置するセランゴール州の州都シャー・アラムにあるモスクです。
青と白のコントラストが美しい外観をしており、高さ142.3mのミナレット(塔)や巨大なドームが特徴です。
また、国内では最大、世界全体でも4番目の大きさを誇るモスクであり、最大2万4,000人もの人数を収容できます。
ブルーモスクの正式名称は「スルタン・サラフディン・アブドゥル・アジズ・モスク」
実は、ブルーモスクという名称は正式なものではありません。
正式名称は「スルタン・サラフディン・アブドゥル・アジズ・モスク(Masjid Sultan Salahuddin Abdul Aziz)」と言います。
長くて覚えられないことなどを理由に、現地の住民や観光客からは「ブルーモスク」という通称で親しまれています。
ブルーモスクは英語で何という?
英語にすると、その名の通り「Blue Mosque」となります。
前述した「Masjid Sultan Salahuddin Abdul Aziz」は、マレー語で記載した場合の正式名称です。
ブルーモスクの場所
マレーシアにあるブルーモスクの地図はこちら。
所在地の住所は下記です。
ブルーモスクの行き方・アクセス
ブルーモスクへの行き方は、主に「Grab」、「電車またはバス」、「オプショナルツアー」の3つに大別されます。
それぞれメリット・デメリットがあり、ご自身の好みや旅行プランに応じて最適な行き方は変わってきます。
この章では、各行き方の概要や移動の所要時間、費用を解説します。
なお、各行き方がおすすめのケースと避けた方が良いケースを下記にまとめましたので、要点を先に知りたい方はこちらも参考にしてください。
おすすめのケース | 避けた方が良いケース | |
Grab |
|
|
電車またはバス |
|
|
オプショナルツアー |
|
|
Grabが圧倒的に便利
ブルーモスクはKL中心部からのアクセスがしづらい場所にあるため、Grabでの移動が圧倒的におすすめです。
Grabは、簡単にいうとタクシーを配車してもらえるアプリです。
アプリをインストールした後、目的地と迎えてに来てもらう場所を登録するだけで、簡単にブルーモスクに移動できます。
KL中心部からブルーモスクまでの料金は約25〜30RM(800〜960円)、移動時間は約40〜50分です。
私がブギッ・ビンタンから向かった際には、片道26RM(約830円)で移動できました。
電車やバスの利用は大変
可能な限り節約したい方であれば、電車やバスによる行き方も検討の余地はあります。
電車での行き方
電車で向かう場合、以下の行き方でブルーモスクに到着します。
- KTMコミューターに乗って、KLセントラル駅(クアラルンプール駅やバンクネガラ駅でも可)からシャーアラム駅に移動
- シャーアラム駅からタクシー(Grabも可)でブルーモスクに移動
所要時間と料金は以下のとおりです(2023年10月末時点)。
- KLセントラル→シャーアラム駅:約50分、大人4RM(約127円)※1※2
- シャーアラム駅→ブルーモスク:約10分、1人あたり7〜10RM(約220〜320円)
つまり電車でブルーモスクまで行く場合には、合計で350〜450円ほどの費用と約1時間の移動を要します。
費用を半分ほどに節約できる点はメリットであるものの、電車移動がネックです。
慣れない国で正しいチケットを購入するのは想像以上に大変です(実際私は大変でした)。
また、いずれにせよタクシーに乗る必要も出てきます。
往復で考えても1,000円弱の差しか生じないため、個人的には直通で楽々行けるGrabがおすすめです。
バスでの行き方
バスで向かう場合、以下の行き方でブルーモスクに到着します。
- KL市内の「パサール・スニ駅」から750番のバスに乗り、「SA786 HENTIAN BANDAR SEKSYEN 14」という駅で下車※3
- 徒歩またはGrabでブルーモスクに移動
所要時間と料金は以下のとおりです(2023年10月末時点)。
- パサール・スニ駅→SA786 HENTIAN BANDAR SEKSYEN 14:約40分〜1時間、大人3RM(96円)※4
- SA786 HENTIAN BANDAR SEKSYEN 14→ブルーモスク:約10分(徒歩の場合は約15分)、1人あたり4〜8RM(127〜255円。徒歩だと無料)
つまりバスで移動する場合には、合計で100〜350円ほどの費用と約1時間20分の移動を要します。
圧倒的にコストを抑えられる点はメリットですが、電車よりもさらに問題なく到着するのが困難な方法です。
実際、電車と比べてバスの情報を正確にリサーチするのは難しいですし、現地の人とのコミュニケーションも求められます。
また、移動時間も最もかかる行き方です。
そのため、コスト削減が最優先の方や時間に余裕がある方、海外(特に東南アジア)の旅行に慣れている方にのみ適した方法と言えます。
※1 NEW KTM KOMUTER FARES EFFECTIVES 2 DECEMBER 2015
※2 KTMB – KTM KOMUTER TIMETABLE
※3 MyRapid – 750: Hab Sekysen 2 ~ Hab Pasar Seni
※4 MyRapid – Bus Info
オプショナルツアーも非常に便利
可能な限り苦労せずにブルーモスクに行きたい方には、オプショナルツアーへの参加がおすすめです。
そのため、Grabの利用や電車やバスのチケット購入といった面倒な手続きがほとんど不要となります。
ブルーモスクを観光するオプショナルツアーの中でも、半日でKL中心部・郊外の人気観光スポットを一気に巡るツアーが特におすすめです。
具体的には、ブルーモスクに加えてピンクモスクとバトゥ洞窟を半日で観光します。
加えて、マレーシアの地元グルメ「バクテー(豚の角煮)」を堪能できるランチや、日本語のガイドが付いています。
短い期間で効率的に人気スポットを観光したい方や、移動や食事の手間を最大限削減したい方は、検討してみても良いと思います。
マレーシアにあるブルーモスクの重要情報
マレーシアのブルーモスクを観光する際には、あらかじめ営業時間や服装のルールなどを把握しておくのがおすすめです。
事前に把握することで、「訪問したらやっていなかった」といった事態を防げるためです。
この章では、ブルーモスクを訪れる上で最低限知っておくべき情報を紹介します。
営業時間・営業日【土日は見学できる?】
マレーシアのブルーモスクは、基本的に年中無休で入場できます。
営業時間は以下のとおりです(2023年10月末時点)。
※必ず最新の情報をご確認ください。
- 土曜日〜木曜日:9:00〜12:30、14:00〜16:00、16:45〜18:30
- 金曜日:9:00〜12:00、14:45〜16:00、16:45〜18:30
注意すべきなのが、サイトによって記載している営業時間や営業日が異なる点です。
たとえば、Googleで検索すると土日は定休日と書かれていますが、日曜日に訪れても問題なく見学できました。
おそらくですが、訪問時期によって見学可能な時間が変わっている可能性もあります。
また、金曜日も営業していますが、礼拝日なので訪問しても見学できない事態が想定されるのでご注意ください。
入場料
入場料は一切かかりません。
無料で観光できるのは嬉しいポイントです。
帰りに無料の水をいただけました。
服装のルール
他のモスクと同様に、イスラム教の施設であるため、肌の露出度が高い服装では見学できません。
ただし、露出度の高い服装で訪問しても、入り口にて肌や髪を隠すローブ・スカーフを無料でレンタルできます。
女性はもちろん、男性の方もハーフパンツなどの服装だとローブのレンタルが必要となります。
ブルーモスク内の美しいタイルなどを背景に、ブルーカラーのローブを着用した姿の写真を撮ると非常にSNS映えします。
一点注意したいのは、ローブやスカーフは使い回しであることです。
場合によっては、汗臭さが気になる可能性があります(私が着用したものは問題ありませんでした)。
潔癖症の方や臭いに敏感な方は、事前に露出度の低い服装で訪問するなど対策を立てておきましょう。
見学の所要時間
ブルーモスク見学ツアーに同行するガイドさん次第ですが、概ね30分〜1時間程度を要します。
ただし、後述のとおり自由見学が不可であり、十分な人数が集まるまではガイドツアーによる見学を始めることができません。
そのため、多少の待ち時間が発生する可能性を考慮した上でスケジュールを組むのがおすすめです。
自由見学は不可
ブルーモスクは自由見学が不可であり、モスクのスタッフさんによるガイド付きで見学します。
ガイドさんは、ブルーモスクの建築様式やイスラム教の慣習・教えなどをわかりやすく説明してくれます。
基本的には英語が話せるガイドさんの案内によって、モスクの内部を見てまわります。
運が良ければ日本語を話せるガイドさんに当たります。
マレーシアにあるブルーモスクの見どころ・魅力【観光してみました】
実際にマレーシアのブルーモスクを観光してきたので、その際に撮影した写真を使って見どころを紹介します。
外観
まずは外観から。
最大2万4,000人もの人数を収容できるだけあって、圧倒的なスケール感を誇ります。
鮮やかな青色のドームと圧倒的な高さを誇るミナレット(塔)が織りなす外観は、ファンタジーに出てくるお城のようでした。
入口前に広がる円形広場の対極側に歩いて行くと、全景を見渡すことができました。
静寂が広がる回廊
ブルーモスクといえば、鮮やかなブルーの内装ばかり注目されますが、青と純白のコントラストが美しい回廊も見どころです。
最初の見どころは、階段を登った先にあるこちらの回廊(広場?)です。
水色のガラスから降り注ぐ光とピカピカの床が広がる光景は神秘的でした。
左右に目を向けると、純白の柱と幾何学模様の装飾が一面に広がります。
静けさも相まって、昔のイスラム世界に迷い込んだかのような錯覚を感じさせます。
そして、ツアーの後半に巡るこちらの回廊(下記写真)も必見。
ブルーのガラスや幾何学模様の装飾、純白の柱や天井が神秘的な雰囲気を醸し出していました。
遥か先まで広がる回廊は、清らかで心が洗われる絶景です。
美しい青いタイルも必見
順番が前後しますが、ツアーの一番初めに訪れる美しい青いタイルが敷き詰められた壁も見どころです。
お花が描かれた六角形タイルと鮮やかなブルーの三角形タイルが組み合わさった壁は、青色のローブを着て記念撮影するにはもってこいです。
鮮やかなブルーと繊細なイスラム調の模様は非常に美しく、ガイドさんいわく観光客から写真撮影のスポットとして人気を集めているそうです。
豪華絢爛な内部も見どころ
神秘的な雰囲気を漂わせる回廊から一変して、モスクの内部(礼拝堂)に入ると豪華絢爛な光景が広がります。
まずは目線を上に向けると、アラビア文字がびっしり描かれたドーム型の天井(下記写真)や豪華なシャンデリアを見ることができます。
内部には、その名の通り鮮やかなブルーのステンドグラスが見渡す限り広がっています。
1階と2階にあるステンドグラスからは、芸術的で美しい青色の光が差し込んでいます。
また、青色のみならずグリーンのステンドグラスもありました。
お花柄をあしらった緑色のステンドグラスは、一面ブルーのモスク内部で良い味を醸し出していました。
また、目線を下に向けると、イスラム調の絨毯が一面に広がっています。
鮮やかなブルーのステンドグラスと異なり、落ち着いた色味と模様でした。
他にもお祈り前に身を清める設備や結婚式を行う部屋などを見学しました。
観光客が入れるエリアはごく一部でしたが、ブルーモスクにはそれでも十分な見どころがありました。
マレーシアのブルーモスク観光まとめ
マレーシアのブルーモスクについて、行き方や服装のルール、営業時間、見どころなどを紹介しました。
鮮やかな青色のステンドグラスや純白の回廊を楽しめるブルーモスクは、見どころが多いスポットでした。
クアラルンプールからはやや遠いものの、神秘的な雰囲気やイスラム調の建築や模様が好きな方にはおすすめです。
ただし訪れるのはやや大変なので、基本的にはGrabでの行き方がおすすめです。
ピンクモスクやバトゥ洞窟といった人気観光スポットも巡る予定がある方には、一度にまとめて観光できるオプショナルツアーの利用もおすすめです。
今回紹介した内容を参考に、マレーシアのブルーモスク観光を楽しんでいただけると幸いです。
ピンクモスク(プトラモスク)は、外部・内部ともに一面がピンク色の幻想的な観光スポットです。最寄駅から離れた場所にあるため、行き方はGrabまたはオプショナルツアーの利用がおすすめです。実際に観光した時の体験をもとに、ピンクモスクの行き方や営[…]